2012年6月20日水曜日

所有冠詞(所有代名詞)、いよいよ全編完結へ!そして話法の助動詞へ!


mein, dein, sein, ihr(Ihr), unser など「私の~」。「君の~」という所有冠詞(所有代名詞、所有形容詞ともいいます。授業では所有冠詞と呼ぶことにします。)シリーズもあと少し。

先週の答案では、ほぼ完全にみなさん unser の変化を理解しておられました。この変化、けっこうわからなくなるのですよ。いつも授業で繰り返して見ている定冠詞と不定冠詞の変化で、3個所だけ不定冠詞に語尾がなく、ein になる男性1格、中性1・4格のところに注意してください。

先週の問題の解答です。

a. Unser Familienname ist Schulze.
b. Unser Hobby ist Surfen.
c. Unsere Kinder spielen Ball.
d. Unser Sohn ist vier und unsere Tochter sieben.
e. Unser Hund heißt Paul und unsere Katze heißt Klara.

Familienname のようにFamilie (女性名詞)+ Name(男性名詞)が繋がってできた合成名詞の変化は一番最後の名詞(ここではilie)に準じます。どんな長い合成名詞でも最後の名詞に準じて変化させます。


ここまで来たら残るは「君たちの」"euer"を片づけるのみです。これは"unser"とほぼ同様に変化させるだけでよいのですが、若干発音上母音のeを落とすことがあるので、その点に注意。授業で説明します。

☆その前に小テストです。☆

時間的余裕があれば、急に前進して助動詞の使い方を勉強します。

ここで急激にドイツ語の風景が変わるかもしれません。何しろ、今まで「主文(平叙文)と疑問詞のある文では、動詞は文の成分として2番目に置く」、「英語とは語順が違う」と繰り返して来たのに、今回助動詞の登場によって、動詞はその地位を奪われてしまいます。

助動詞構文では、助動詞を定動詞の位置に置き、動詞は文末、あるいは文の切れ目の最後に置かれます。

Ich spreche Deutsch und Englisch. (私はドイツ語と英語を話します。)

に、英語のcanにあたる話法の助動詞(意味は授業で説明)können のichに対する活用形kann (英語と似てますね。)を入れると次のような語順になります。

Ich kann Deutsch und Englisch sprechen.


まだ文法の授業で習っていないと思いますので、資料を配布して説明します。

2012年6月13日水曜日

自由作文のコメント:Einfach toll!



今回の自由作文(課題:旅先から絵葉書を送る)、出題者の感想をひとことで述べると、"Einfach toll!"です。

この表現、気をつけてください。einfachは単純な(単純に)、tollは(バカな、バカみたいに)--- ドイツ語では形容詞と副詞はほとんどの場合同形です。(だから要注意です。)

「単純にバカ!」・・・決してけなしているのではありません。

tollは口語表現で「素晴らしい!」の意味です。「素晴らしい」とか「すごい!」という意味です。英語でもterrificなど「恐ろしい」転じて「すごい、すばらしい」となるのと同じです。

強い意味の形容詞に"sehr"をつけてさらに強調しようとするとかえって意味が弱くなることがあります。

そんな時、別の副詞で該当の形容詞を強調することができます。einfachは「単純に」という意味のほか、

「全く」、「本当に」という強調の意味があります。

だから、"Einfach toll!" といえば、「本当にすばらしい!」という意味です。決して「単純バカ」ではないですよ。誤解なきよう。

何が良かったかというと、多くの方々が、辞書、文法書、インターネットなどを参照して、まだ習っていない事項をいくつも使って作文にチャレンジしておられたことです。

旅先の街をインターネットで調べ、どこを見に行くか、何をするか決め、それを言うために辞書やインターネットを使って作文する・・・出題者としてはそうしていただけると大変嬉しいのです。意欲的な作文が多かったです。

まだこの授業ではのんびり、動詞の変化や冠詞類のさまざまな変化をやりながら日常会話を覚えているだけなのに、しっかり前置詞も使えているし、過去形や完了形で書いた人もいました。形容詞の語尾変化を理解している方もいました。

助動詞を使った文(未来形、話法の助動詞)を使った文も多々みかけました。そして正しく書かれていました。

分離動詞だけは難しかったようで、使い方がわからなかった人が多かったようです。

間違えてもかまわないので、どんどん思ったことを表現しましょう。

作文は添削しますが、今すぐになぜそう直されるのかわからなくてもかまいません。

今回の課題、出題者の意図は、旅だより(その1)として絵葉書を書く、教科書のサンプルを見ながら葉書のフォーマットを覚えてもらうことでした。

しかし、フォーマットをこえて、内容的にも充実していました。

葉書の書き方、復習してみましょう。

1. 差出人は必ずしも住所まで書く必要はありません.


Abs. Kyoko Rikitake

日付は 

den 10. Juni, 2012

あるいは、場所を加えて、

Berlin, den 10. Juni, 2012

と書きます。これもかなり省略可です。

相手に向かってまずは、

a. Lieber Taro,
    Liebe Hanako,
b. Lieber Herr Yamada,
    Liebe Frau Sato,

のように男性あての時はLieber, 女性あての時は Liebe をつけます。
(これは形容詞の変化と関係があります。)

Lieber/Liebe {ファーストネーム}の時は、おおむね親称2人称 du を使い、Lieber Herr/ Liebe Frau (ラストネーム)の時は、だいたい敬称に人称 Sie を使います。

ですから、結びのところは、

a の場合は、

Viele Grüße, (Liebe Grüße)

Dein Walter (筆者が男性の時)

Deine Dorothea (筆者が女性の時)

b の場合は、

Mit herzlichen Grüßen, (Liebe Grüße, usw.)

Ihr Walter (筆者が男性の時)

Ihre Dorothea (筆者が女性の時)

のように書きます。

宛先は

a. の場合は、Karin Stockmann
                  Auguststrasse 12,
                  D-12345 Berlin

のように、

b. の場合は Frau Karin Stockmann
                   Auguststrasse 12,
                   D-12345 Berlin

ただし男性あての時は、
Herrn Walter Hof   (Herrnの語尾に注意)
                   Auguststrasse 12,
                     D-12345 Berlin

とします。

文面は多種多様なので、実際にいくつか授業でご紹介します。

旅便りはあと手紙の形式とメールの形式も勉強します。(メールには形式があってないようなものですが。)